ゲームエンジン紹介、今回はCRYENGINEです
UnityやUnreal Engineと比べると、日本ではあまりメジャーではないようですが
初代Far Cryや、CRYSISシリーズなどで使用されていたり、Far Cryシリーズの制作に使われているDunia Engineや今は亡きAmazonのLumberyard、Lumberyardの後継エンジンであるO3DEの元となったゲームエンジンでもあります
CRYENGINEとは

CRYENGINEは、Crytekが開発した高性能なゲームエンジンで、フォトリアルなグラフィックス、ダイナミックな物理演算、洗練されたAIシステムが特徴です
主にFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲーム向けに設計されていましたが、現在ではアクション、RPG、シミュレーションなど、多種多様なジャンルのゲーム制作に対応しています
冒頭で述べたように、UBIソフトの初代Far Cryや自社開発のCrysisシリーズ・Ryse: Son of Romeなどのゲームに使用されており、その卓越した技術力を証明しています
プログラミング環境
CRYENGINEでは、以下のプログラミング言語を使用してゲーム開発を行うことができます。
こちらにそれぞれの言語によるチートリアルがまとめられています
C++
C++はCRYENGINEの主要なプログラミング言語であり、エンジンの全機能を活用するために推奨されています
C++を使用することで、高度な最適化やカスタマイズが可能になります。
C#
C#もサポートされており、初心者でも扱いやすく、スクリプトベースのゲームロジック開発に適しています。
Flow Graph(ノーコード環境)
プログラミングが苦手なユーザー向けに、ノーコードでゲームロジックを構築できる「Flow Graph」システムも用意されています。
Lua
一部のバージョンではLuaスクリプトも使用可能で、簡単なスクリプティングやエンティティ制御に利用されます。
Luaについてはチュートリアルではなくこちらに解説があります
Asset Databaseについて
CRYENGINEのアセット管理は現在「Asset Database」を中心に行われています
以前提供されていた「Marketplace」は決済システムの不備に伴い廃止され、すべてのアセットが無料で利用可能になりました。
Asset Databaseの特徴
- 多様なリソース: 過去のCrytek作品で使用されたアセットや、新規プロジェクト向けの高品質な素材が揃っています。
- プロジェクト例: The ClimbやRyseで使用された素材を含むパックが提供され、初心者でも学習用に活用可能。
- 完全無料: すべてのアセットが無料でダウンロード可能で、ライセンス条件に基づいて商業プロジェクトにも使用できます。
公式ウェブサイトからAsset Databaseを通じて簡単にアクセスが可能です
使用料について
CRYENGINEは、収益に基づくロイヤリティモデルを採用しています
- 最低収益基準:
プロジェクトの年間収益が5,000ドル以下の場合、ロイヤリティは発生しません - ロイヤリティ率:
基準を超える収益(年間収益5,000ドルを超える部分)に対して5%が課されます。
他のゲームエンジンとの関係
CRYENGINEは、UbisoftのDunia Engine、AmazonのLumberyard、およびその後継であるO3DE(Open 3D Engine)といくつかの歴史的および技術的な関係があります
これらのゲームエンジンは、いずれもCRYENGINEの技術を基盤としつつ、独自の方向性で進化しています
Dunia Engine(Ubisoft)
Dunia Engineは、Ubisoftが「Far Cry 2」以降のタイトルに使用するためにCRYENGINEを基にカスタマイズしたゲームエンジンです
Ubisoftは初代「Far Cry」の開発後にCRYENGINEのライセンスを取得し、自社のニーズに特化したエンジンに改良しました
結果として、Dunia EngineはCRYENGINEの基盤を維持しながらも、Ubisoft独自の機能や技術(植生システム、リアルタイムの環境変化など)を統合しています
このエンジンは、Ubisoftの主要なオープンワールドゲームに広く採用されています
Amazon LumberyardとO3DE
Amazonは2015年にCRYENGINEのライセンスを取得し、これを基に独自のゲームエンジン「Lumberyard」を開発しました
このエンジンには、Amazon Web Services(AWS)との統合や、Twitchを活用したオンラインゲーム開発向けのツールが追加されました
2021年、AmazonはLumberyardをオープンソース化し、「Open 3D Engine(O3DE)」としてリブランドしました
O3DEはLinux Foundationによって管理されており、Apache 2.0ライセンスの下で公開されています
このプロジェクトは、モジュール性を強化し、クラウドベースの開発環境や最新のグラフィック技術を提供することを目指しています
O3DEにはLumberyardおよびCRYENGINEの一部が引き継がれていますが、大幅に再設計されています
技術的な違いと現状
- Dunia EngineはUbisoftが完全にコントロールしており、Ubisoft専用タイトルに特化した機能を備えています
- O3DEは完全にオープンソース化され、多くの開発者が自由に利用・改良可能で、AWSとの統合が強みです
- CRYENGINEは引き続きCrytekが管理しており、高度なグラフィックスとリアルタイムレンダリング技術を中心に開発されています
これらのエンジンはそれぞれのニーズに応じて進化しており、CRYENGINEの技術的基盤が多様な形で影響を与えています
それぞれの選択肢は、プロジェクトのスケールや目的、開発チームのスキルに応じて適しています
まとめ
CRYENGINEは、高性能なゲームエンジンと柔軟な料金モデル、豊富な学習リソースを備え、幅広いユーザーにとって優れた選択肢となっています
残念ながら、日本ではあまりメジャーとは言えませんし、日本語でのサポートもありませんが、Unreal Engineに匹敵するような高品質グラフィックやFlow Graphを使用したノーコードプログラミングなどを備えていますので
一度くらいは触ってみてもいいのではないでしょうか?(使用する分には無料ですしねw)
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